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LOGAN/ローガン:WOWOW

2029年、多くのミュータントは死に、新たなミュータントも誕生していなかった。ウルヴァリンことローガンは素性を隠し、リムジンのドライバーとして生計を立て、メキシコに仲間のキャリバンとプロフェッサーXチャールズを匿っていた。そんなローガンの元に彼の素性を知り、メキシコ人女性を探しているという男が現れ、ローガンは新たな戦いに巻き込まれていく…


『X-MEN』シリーズのウルヴァリンを主役としたスピンオフシリーズとして、『ウルヴァリン: SAMURAI』に続く3作目のSFヒーローアクション。


これまで長きに渡りウルヴァリンを演じてきたヒュー・ジャックマンがウルヴァリンを卒業することとなり、そのラストを飾る作品になっています。
ウルヴァリンは不老不死に近い能力を持ったヒーローですが、演じる側はそうもいかないこともあって、この作品のウルヴァリンはその能力が失われつつあり、年を取って(老眼メガネかけるシーンもあったりします。もちろん日本語の「老眼」と「ローガン」をかけたわけじゃないでしょうが)力も落ちてきたキャラクターとして描かれています。
コミックのヒーローではない、というのは劇中でも『X-MEN』のコミックを手に取り「現実と漫画は違う」というセリフがやたらあることで示されていて、タイトルも「ウルヴァリン」ではなく「ローガン」にしたのはスーパーヒーローではない一人の人間が主役の映画にしたいという製作側の意図でしょう。
それもあって、この映画はよもやのロード・ムービー調の作品で、『子連れ狼』『グロリア』『レオン』の系譜に連なる悲哀ある映画に仕上がっています。R指定の残酷なシーンも散見されますが、これも子供向けヒーロー映画ではない大人な作品を目指したためでしょう。



おそらくはそれもあってミュータント的な派手な超能力がほとんど出てこないのだと思いますが、それにしてもウルヴァリンを追ってくる追跡者のドナルド・ピアースがいまいちクールな悪役じゃないのがちょっと気になりますかね。この映画に超能力はいりませんが、チンピラ風情ではなく、もうちょっと威厳のある敵役が欲しかった。それでないと追う者と追われる者の緊張感が感じられないですからね。

でも、映画自体は結構面白かったです。『レオン』とかあのあたりの作品が好きな方なら、これまで『X-MEN』観てなかった人でも共感出来る内容になっていると思います。

 

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戦火の馬:WOWOW

20世紀初頭のイギリス。小作農の息子アルバート・ナラコットは近所の牧場で生まれた一頭の子馬に強く惹かれる。父テッドは農耕馬を買うため馬の競売へ行くが、そのサラブレッドの子馬を気に入り、地主と競り合って落札する。アルバートは喜ぶが、妻は呆れるばかりだった。やがて第一次世界大戦の足音がこの田舎町にも轟き始め、ジョーイと名付けられた子馬も戦地に連れて行かれることになる…


マイケル・モーパーゴの小説『戦火の馬』を『レディ・プレイヤー1』のスティーヴン・スピルバーグが映画化した1頭の馬と戦争を巡る感動ドラマ。


近代兵器が飛躍的に進歩した第二次世界大戦と比べると、第一次世界大戦はちょうど前時代的な戦術と二次大戦に向かって新しい兵器が登場し始めた戦争史の交差点に当たる時代なんでしょうね。騎兵隊が銃剣構えての突撃なんて映像映えする戦闘シーンから始まって、終盤ではマシンガンや大砲が飛び交う戦場(第二次世界大戦を舞台にした『プライベート・ライアン』に近い)と、同じ戦争とは思えないくらい戦場の有様が変わる構成になっていて驚かされます。


図らずもこの戦場を駆け巡ることになる一頭の馬ジョーイと、代わる代わるジョーイの主となる人間たちのドラマで、人間の愚かさとそれに左右されながらも生き抜いていこうとする生き物の気高さ、そして一人の青年の成長物語と様々な要素が感動的に結びついた作品になっています。

色んなテクニックが使われているんでしょうが、馬の演技、特に目の動きがすげ〜と思わされ、思わずジョーイたちに感情移入。我が家のチワワはスクリーンの馬に向かってワンワン吠えていましたが(笑)

スピルバーグ作品としてはマイナーなタイトルですが、爽やかな感動のある映画ですね。こういった感動作から『レディ・プレイヤー1』のようなオタク向け映画、はたまたホラーチックな作品まで、本当に間口が広いですね、スピルバーグ。

 

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夜明け告げるルーのうた:WOWOW

人魚伝説のあるひなびた港町日無町で祖父と父の3人で暮らしている中学3年生の男子 足元カイは動画投稿サイトに自作の打ち込み音楽を投稿したところ、同級生でバンドをやっている遊歩と国夫から誘いを受ける。気が乗らないカイだったがバンドの練習場所が人魚伝説のある無人島 人魚島と聞いて参加を決めるのだが…


『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明によるアニメーション映画。2017年アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門最高賞受賞で、日本の長編アニメがグランプリに輝くのは高畑勲の『平成狸合戦ぽんぽこ』以来22年ぶりの快挙だったようです。


人魚がテーマのアニメということでどうしても思い出してしまうのが宮崎駿の『崖の上のポニョ』。この映画に登場する人魚ルーも片言を喋る女の子ということで、やっぱりポニョを思い出してしまう…って、少年の成長譚(5歳の子供と中学生という10歳ほどの年齢差はありますが)ってことからしても思い出すどころか『ポニョ』の焼き直し感バリバリですよね。
そんなの当の湯浅監督も自覚してるでしょうから、その既視感に近い感覚を超えるものにしてやる!ってことなんでしょうか。


確かにアニメーションの表現能力にズバ抜けたものがある湯浅政明監督だけに映像面でのアニメならではという楽しさは感じます。音楽に合わせて脚が生える人魚という設定と無意識に音楽にリズムを取ってしまう人たちの映像は、まさに湯浅節。
あえてリアルに依らず、記号的に表現する手腕も見事ですし、観ていて楽しいアニメということは間違いない。伊達に海外アニメ映画祭でグランプリ獲ってない。
でもでも、やっぱり『ポニョ』の陰が見えちゃう。厳密に言えばストーリーは違いますし、表現手法も違う、まったく異なる作品なんですけど、どうして同じ港町で人魚の話にしたのか。そういった批評織り込み済みであえての人魚なのかもしれませんが。
映画単体だけ純粋に見たら、いい映画なんですけどねぇ。

湯浅監督って細田守監督や新海誠監督といった他のアニメーション映画監督に比べるとどうもマイナー感ありますが、ことアニメということにかけてはそれらの人たちに劣ってないどころか、むしろ勝ってるんじゃないのと思わないでもないんで、もっと映画自体もヒットして欲しいんですけどね。

 

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ダンケルク:WOWOW

1940年フランス ダンケルク。ドイツ軍に押された連合軍はダンケルク海岸を背に追い込まれていた。イギリス軍は兵士を救出するべく船を向けるがドイツ軍Uボートに撃沈され、撤退もままならなかった。徴用した民間の船はそんなダンケルクに急行する。ここにダンケルク撤退戦が始まる…


『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン脚本・製作の"戦わない"戦争映画。


近年の戦争映画、しかもIMAXカメラも使われた作品ということで派手なドンパチを期待する人もいるかと思いますが、冒頭からドイツ軍に追われて逃げるイギリス兵のシーンから始まる映画で、ほとんど戦闘シーンがないというか、逃げるイギリス・フランス軍はまったく戦意がなく、ほぼやられるままだったりします。例外はトム・ハーディらがスピットファイアで闘うドッグファイトくらいで、それもシーンとして沢山あるわけではありません。
クリストファー・ノーランの意図としては戦場で雄々しく戦う人たちだけが英雄ではない、ということを描きたかったのかなとは思いますし、これだけ静かな作品なのに退屈せず観ることが出来たのは映画としては上手く出来ているんだとは思います。

が、面白い映画かと言われると、これは微妙かなぁ。
ナチスドイツを悪者(たまに日本軍相手の時もあり)にバチバチ戦って俺たちが正義だ!的な戦争映画もどうかと思ったりしますし、この映画がそういう作品と比べてマジメに作られているのは間違いないですが、やっぱり観終わってのカタルシスはあまりないですかね。感動的なエンディングではありますが。

上でも書きましたが、クリストファー・ノーランお得意のIMAXカメラで撮影された本作。映像面での期待は違わず、とても濃厚な映像を見せてくれます。4Kカメラで撮影した高解像度とは方向性が違い、映像の細かさよりも深く濃厚な色合いが印象的。きっと、UHD-BD盤は極上の映像なんでしょうなぁ。
 

 

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ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
¥ 1,375

ワンダーウーマン:WOWOW

女だけの島、セミッシラに住むアマゾン族の女王ダイアナは叔母の薫陶を受け、最強の戦士として成長する。時代は第一次世界大戦の最中、ドイツ軍の毒ガス兵器をスパイしていたスティーブ・トレバーの乗る飛行機がセミッシラの近くに墜落する。スティーブを助け出したダイアナは外の世界で起きている戦争に心を痛め、戦の神アレスを倒すべくロンドンへ向かう…


DCコミック『ワンダーウーマン』を『モンスター』のパティ・ジェンキンスが映画化。


『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』に登場したワンダーウーマンの前日譚で、まだワンダーウーマンが人間の世界に慣れていなかった頃の話になります。…って、スーパーヒーローが映画を行き来するのは、マーブルだのX-MENだの(この両者は統合されそうですが)もうお腹いっぱいって気もしますけどね。


女性監督による女性ヒーローを主役にした映画として歴代1位の大ヒットを飛ばしたようですが(個人的には「女性」って全面に押し出す時代でもないだろうとは思いますが)、確かに単体の映画として面白い。アクションシーンは迫力ありますし、ワンダーウーマンも胸と脚を強調したコミックに近いコスチュームでダサいと言えばダサいはずなのにそれを感じさせない映像になっている。また、戦争を始めるのも一人の悪人が悪いのではなく、すべての人間に責任があるというテーマも共感出来ますし、本編シリーズの前日譚という理由もあったのでしょうが、ロマンスに傾きすぎない展開もいい。
反面、ラスボスに当たるアレスの魅力のなさとその戦闘シーンの凡庸さ(神と神の戦いなのにX-MENのミュータントとやってることに大差がない)はマイナスですね。あそこカットすれば上映時間2時間の枠に収まったのにな〜と思います。

ワーナーの『DCエクステンデッド・ユニバース』シリーズって旧シリーズではあんなにノーテンキだったスーパーマンまで内容も映像も暗くしちゃうほど重苦しいイメージでしたが、この作品はそんなこともなく普通のヒーローもの、正確にはヒロインものかな、として楽しく観られます。

 

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ムーンライト:WOWOW

「リトル」と呼ばれる小柄な黒人少年シャロンはいじめっ子から隠れていたところをコカインの売人フアンに見つけられ、フアンは彼を恋人テレサの家へ連れて行く。心を閉ざしていたシャロンも父親のように親身になってくれるフアンに徐々に心をひらいていく。だが、シャロンの母親はフアンからドラッグを購入している客の一人だった…


第89回アカデミー賞作品賞を受賞した(その際、作品賞は『ラ・ラ・ランド』と間違われるハプニングがあったことでも話題になりました)、ある一人の黒人の成長を描いた物語。


映画は主人公シャロンの子供時代、青年時代、大人時代の3章仕立てなっていて、それぞれの時代のあだ名がタイトルになっています。孤独な少年とその唯一の友人ケヴィンとの奇妙な友情(愛情?)の物語で、劇的な展開こそないものの、ゆったりと心に染みる映画になっています。反面、あからさまなまでにマイノリティを押し出した作品とも取れるので、それを嫌う向きもあるかも。
個人的にはあまり説明せずに行間で語る作風はいいと思いますね。

これでアカデミー作品賞かという批判もあるかもしれませんが、何年かに一回はこういう地味な作品に光が当たってもいいんじゃないかと。

 

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