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悪人:WOWOW

吉田修一の同名小説を映画化。−ひとつの殺人事件。引き裂かれた家族。誰が本当の“悪人”なのか?−


(ネタバレあり。読まれる方は注意)
というキャッチコピーが付いていましたが、劇中で一番の"悪人"は間違いなく妻夫木君演じる清水祐一でしょう。理由やキッカケはどうあれ、何たって人を殺しているんですから。

悪徳商法の詐欺師や女性を足蹴にして山中に置き去りにする男、人を小馬鹿にして約束も守らない女、子供を捨てた親、不幸に群がるマスコミ、人は皆、大なり小なり"悪人"の要素を持っているのに、あるラインを踏み越えてしまった者だけが"悪人"呼ばわりされ世間的に抹殺されるのはどうなのか?という主張は確かに同調するところもあります。
が、清水祐一の生い立ち、片端の親、その母親にも捨てられ、片田舎で老祖母の世話をしながら細々と暮らしている…という、ある種ステレオタイプな描き方は、不幸な生い立ちを背負った人間は犯罪を犯しても仕方がないという主張にも見えて(その意図がなかったのだとしても)、あまり共感出来ませんでした。

物語自体は不幸な二人の逃避行という情緒に流される手前で踏みとどまり、感情的でワガママな面のある青年と心寂しく人に流されやすい女性の身勝手な逃亡とも取れる形で描かれているのでバランスは取れています。このあたり、どこにでもいるような男女をリアルに演じた、主演の妻夫木聡と深津絵里の演技力に寄るところも大きかったと思います。

演技という面では悪徳業者を演じた松尾スズキとヨゴレも厭わず被害者女性を演じた満島ひかりも良かったです。特に松尾スズキは言われないと気づかないくらいのハマりっぷりで、こういう演技も出来るんだと多才っぷりに感心しきり。

モントリオール映画祭で深津絵里が主演女優賞を受賞したこともあって話題作となった映画ですが、中身も負けじと考えさせられる内容になっていますので、これからの秋の夜長(というにはちょっと暑いですが)、鑑賞するには良い作品かと。

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