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ブレードランナー 2049:109シネマズ湘南

2022年に起きたブラックアウト(大停電)により、人造人間レプリカントに関するデータも大方消失してしまった未来。2049年、反乱を起こした旧型レプリカント、ネクサス8型の処理「解任」を行うブレードランナーのKは郊外の農場に住むネクサス8型の「解任」を行うが、その際、庭に植えられた木の根本に埋められた箱を発見する。その中にはレプリカントの遺体が収められていた…


伝説のSF映画『ブレードランナー』の30年後を描く近未来SF映画。


カルト的人気を誇る『ブレードランナー』の続編はあの映画を観た誰もが夢見、そして同時に『ブレードランナー』の完成度や影響度を考えるとほぼ不可能だろうと諦めていたものですが、その困難なプロジェクトを遂行したのはアカデミー賞にもノミネートされたSF映画『メッセージ』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。主演は『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングがレプリカントでもあるブレードランナーKを演じています。


前作同様、眼のアップから始まる今作ですが、冒頭で現れるシーンは旧作で観客の度肝を抜いたあの荒廃したロサンゼルスではなく、その域外の茫漠たる砂漠の風景、そこを飛行するスピナーの姿から始まります。旧作の『劇場公開版』や『完全版』のエンディングにあった緑ある風景ではなく(キューブリックの『シャイニング』の余ったフィルムを使ったというのは有名な話)、どこまでも続く砂の荒野。


ここで始めて『ブレードランナー』の外の世界がどんなものであるか観客に突きつけられるわけですが、あの街中の映像だけを観ていただけにちょっとした驚きを感じました。
もちろん、Kが属するLAPD本部のあるロサンゼルスは前作同様、暗い空と常に振り続ける雨、明るいネオンが彩る(アタリやパンナムもまた登場(笑))あの雑多で猥雑な世界がそのまま再現されています。怪しげな日本語も沢山登場しますし、近未来でありながら、前作の世界観を尊重したアナログ感満載なデバイスに満ちあふれています。前作は1982年の映画ですが、その世界観は古びることなく、この新作でも新鮮な驚きを与えてくれますね。
そういえば、携帯やスマホのような小型通信デバイスもこの世界には登場しないんですよね。こういった世界観の継続は、旧来のファンが待ち望んでいたもので、オリジナルを尊重して作られていることが分かってすごく嬉しいです。

前作のデッカードとレイチェルのその後や、議論のあったデッカードはレプリカントだったのかどうか、そういった前作の疑問に一定の答えが提示されるのですが、ファンの多い同作だけにそれは非常に難しい選択であったと思うんですよね。それでも大方の人は納得出来る内容になっていますし、続編としてこの内容は期待していたものと違うという人も、前作もいくつか解釈の異なるバージョンがあるわけで、この『ブレードランナー2049』もそれと同様、続きとしての一つの解釈と考えればいいのではないかと思います。続編と捉えなくても、ここ数年間に登場したSF映画として極上の完成度を誇る作品ですので、単品映画として満足出来る内容になっています。

続編を待ち望んでいたファンに、期待以上の作品を提示してくれたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督には本当に感謝の一言。もちろん、大まかなプロットは彼が決めたものではなく、前作の監督であるリドリー・スコット始め、数多くの人が携わっているのでしょうが、それでもカルト的人気を誇る作品の続編の監督というのは凄まじいプレッシャーだったと想像します。それをこのような完成度の高いSF映画として作り上げてくれた、ということを見ても偉業ではないかと。
それを思うと、『エイリアン』の続編(前日譚ですけど)の『プロメテウス』シリーズもリドリー本人が監督するのではなく、若い感性の人に任せるべきだったんじゃないかと思っちゃいますね。リドリー・スコットは偉大なる映画監督の一人ですが、『ブレードランナー』も若い頃の彼だからこそ出来た作品ですし、『エイリアン』シリーズは若手監督の登竜門的作品だったのですから。

 

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