ホームシアターの話題や映画の感想、その他諸々の事を不定期に書きなぐっております。拙文・駄文ですが、ご容赦のほど。
放送作家の三村修治は末期のすい臓がんで余命半年と宣告されてしまう。これまでもバラエティ番組を担当し何でも楽しいことに変換するをモットーにしている三村は残された時間を妻と息子が笑顔になれる新しい夫探しに費やそうと決意する…
樋口卓治の同名小説を『阪急電車 片道15分の奇跡』の三宅喜重が映画化。
原作者が劇中の主人公と同じ放送作家ということもあって人の興味を惹くタイトルではありますよね。この映画版の前にはNHKでドラマ化もされてまして、実にキャッチーなタイトルであり題材でもあるということでしょう。
私のようにアラフィフにもなってくると人生の先が見えつつあるかな〜とも思えますし、病気も他人事とは思えなくなってきて、この映画の主人公の境遇に自分を重ねて、もし自分がそうなったらどう余生を過ごすだろうとも考えさせられます。
が、この主人公の行動はやっぱり理解出来ないかなぁ。バラエティ番組の放送作家だからいつでも人を笑顔にしたいという行動原理はありえるかもと思えますが、その結論が自分の変わりの夫探しというのは生理的に受け付けられない。
元々突拍子もない設定なんですから観客にそこをそう取らせないよう、とことん笑いで突っ走るか、怒涛の展開で息付かせないようにするか、どちらにせよスピード感が大事だったと思うのですが、日本映画の悪い癖でどうもウェットな展開になっちゃうんですよねぇ。感動的なお話にするには共感力が必要なんですけど、先にも書いたとおり、どうにも突拍子ないお話で主人公に共感出来ないんで感動も出来ない…。織田裕二は結構な熱演で役者として見直しましたが。
あと妻役の吉田羊。個人的にいい女優さんだと思うのですが、この方、どう見ても夫に先立たれたら生きていけない女性には見えない。むしろ、一人でも強く生きていくタフな女性役の方が合ってますよね。だから、主人公が自分がいなくなった後の妻と子供のことを心配する、その必然性が薄れちゃってるような。そういう意味でこの映画にはミスキャストだったんじゃないかと。
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