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沈黙 SILENCE(1971年) :WOWOW

17世紀、キリスト教が禁教となった江戸時代の日本で消息を絶った師であるフェレイラ神父を探すため、危険を冒して日本に潜入したロドリゴとガルペ神父。ロドリゴはキチジローの裏切りに会い、役人に捕縛され棄教を迫られるが…


遠藤周作の『沈黙』を『瀬戸内少年野球団』の篠田正浩監督が映画化。


遠藤周作自身が脚本に参加している他、音楽は武満徹、撮影は宮川一夫と錚々たるメンバーが製作に名を連ねています。マーティン・スコセッシも『沈黙 -サイレンス-(2016年)』の参考にしたんじゃないかと思われる部分がかなりあり、両作を比較するのもまた一興じゃないでしょうか。WOWOWではスコセッシ版放送に合わせる形で篠田版も放送してくれましたが、こういう特集は嬉しいですね。

ポルトガル人であるはずのロドリゴたちが英語を話すのはマーティン・スコセッシ版と同じ。スコセッシ版はアメリカ映画なのでそれも理解出来るのですが、こちらはポルトガル語話せる役者を集めるのが難しかったんでしょうかね。
でも、その英語以上に驚きなのがスコセッシ版でリーアム・ニーソンが演じていたフェレイラを何と丹波哲郎が演じていること。ショーン・コネリーの『007は二度死ぬ』にも出演していたりと国際派俳優でしたし確かに日本人離れした貫禄を感じさせてはくれるのですが、それでもどうしても「丹波さんですよねぇ」という思いが前に出ちゃうのでフェレイラが語る言葉が入ってこないのが難(笑)。


同じ原作だけに篠田版もスコセッシ版も展開はほぼ同じなのですが解釈や見せ方が異なるのが面白いですね。スコセッシ版では名前だけだった「岡田三右衛門」が篠田版ではその本人が登場、強烈な印象を与えてくれますが、あの馬に蹴られそうになる拷問はある意味逆さ吊りよりもキツいかもしれません。
ロドリゴに「転ぶ」よう迫る井上筑後守がかつてはキリシタンだったということがスコセッシ版ではあまり語られてなかったと思いますが篠田版ではハッキリと語られているので「形だけでいいから転べ」という言葉が持つ重みが変わってきます。

ラストも両作でかなり違いを見せますね。原作よりエピソードをかなり加えることでロドリゴの"棄教"に理解を見せ魂の内面性を追求したスコセッシ版に対し、"棄教"という出来事に衝撃の結末を被せてきた篠田版は棄教者を突き放したような印象です。救いがあるという面で観客にウケがいいのはスコセッシ版だと思いますが、原作者の遠藤周作ならどっちを支持したんでしょうね。

 

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