December 2019  |  01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

エル ELLE:WOWOW

ゲーム会社の社長であるミシェルは自宅でマスクを被ったレイプ犯に襲われるが、父親が過去に犯した事件のトラウマから警察には通報せずに何事もなかったかのように振る舞っていた。犯人は身近な人物と確信するミシェルはやがて犯人を突き止めるが、その後、彼女が取った行動は予想外のものだった…


映画にもなった『ベティ・ブルー―愛と激情の日々』で知られるフィリップ・ディジャンの小説『Oh...』を『スターシップ・トゥルーパーズ』のポール・バーホーベンが映画化したスリラー。



レイプシーンから始まるポール・バーホーベンの映画ということでエロティックなものを想像しちゃうかもしれませんが、意外や意外(でもないか)、中学生じみた子供っぽいエロ描写はあったりしますが、レイプやセックスシーンはあっさりと淡々とした描写で終わっています。
これが映画の効果として狙ったものなのか、バーホーベンの性的指向(笑)なのか分かりませんが、この映画で第89回アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされた主演のイザベル・ユペールの円熟の演技もあって、この淡々とした性的描写が主人公ミシェルの人物像にも大きく影響しています。

普通の映画であればレイプを受けた女性は可哀想な被害者としての面が大きく描かれると思うのですが(作品によっては、その女性が犯人に復讐をなすことでカタルシスを得たりする場合もあり)、この映画ではそうではなく、主人公ミシェルはレイプ犯が判明した後もその男を受け入れる行動を取るため、一見意味の分からない、人によっては女性蔑視とも取られかねない展開になります。が、映画を通してよくよく観ると、むしろ滑稽なのはミシェルに振り回される男性たちであり、実は男こそモノとして描かれていることに気づきます。何せ、映画通してマトモな男がただの一人も登場しないんですから。
それに比べ、主人公ミシェルを始めとする女性たちの強さよ。中にはミシェルによって半ば強制的に関係を絶たされてしまう人もいますが、映画に登場するのは男に依存しない女性ばかり。これが、この映画でバーホーベンが描きたかったことなんでしょう。

そこが理解出来るかどうかで映画の評価も大きく変わると思いますが、脱ハリウッドで作家性を伸ばした(それでいて中坊っぽいところは変わってない(笑))バーホーベンらしい作品だと思います。

 

JUGEMテーマ:映画

スポンサーサイト

pagetop